ロールスロイスのエンジンと水中の翼で伊勢湾を翔ぶ

ロールスロイスのエンジンと水中の翼で伊勢湾を翔ぶ

スピードが重要

中部国際空港と三重県を結ぶ空港アクセス航路である津エアポートラインには、飛行機の速達効果を活かす高速性、待ち時間が少ない多頻度運航が求められますが、特にスピードが重要です。
水の抵抗は空気抵抗より大きく、速度の3乗のパワーが必要になります。運航時間45分、速力最大30ノットを実現するには軽量でハイパワーな高速回転エンジンが必要でした。また、双胴船は機関室のスペースが限られるため、コンパクトであることも重要です。

高い信頼性

空港アクセス航路では、船の故障や欠航はお客様の予定を台無しにしてしまいます。
2隻運航で1日15往復(10月からは16往復)、1時間の給油時間と乗降・折返しの15分間インターバルを挟み1日走り通し、年間5000時間運転しても故障しない高い信頼性が求められます。軽量・ハイパワー・高速・コンパクト、そして高信頼。そして振動が少ない。すべてを満たすエンジンは国産にはありませんでした。

コンパクトで洗練されたドイツ製エンジン

船舶エンジン大手、ドイツのmtu社(ロールスロイス系列)のエンジンは、軍用にも使われる軽量コンパクトで洗練された高速エンジンです。国内では海上保安部や監視艇など速力を求められる船舶に使われています。運用コストが高額なので民間の船舶に使われるのは珍しいのですが、津エアポートラインではこれ以外の選択肢はありませんでした。大型ディーゼルエンジンでありながら、1530rpmの高速回転40分間連続運転が一日14―16回という過酷な運用をこなしています。もちろんクルー(乗組員)は交代で休憩休暇もとりますが、船とエンジンは年中無休で働き続けています。
津エアポートラインのmtuは、日本総代理店からも事例として紹介されています。

高い環境性能

Mtuシリーズ4000エンジンは、燃料噴射を電子制御するコモンレールを採用し、環境性能にも優れています。出力に応じて稼働するシリンダー数を増減させるなど、巧妙な制御でハイパワーと環境性能を両立させています。

動揺を減らす水中翼

高速運航には船体も重要です。揺れが少なく客室スペースを広くとれる双胴の軽量アルミ合金製のハル(船体)には水中翼が付き、高速域で揚力を発生させ船体を持ち上げ造波抵抗を軽減します。
また、冬の伊勢湾は外洋や日本海ほどではないですが、北西の伊吹おろしが波を起こすので、高速航行時に波に持ち上げられると船はジャンプし、着水時には大きな衝撃が起きてしまいます。水中翼は波による急激な浮上・ブローチングも抑え、船体は波を切り裂きます。

海の特急、津エアポートラインの高速船、High Speed Boatは、今日も休みなくロールスロイスのエンジンと水中の翼で伊勢湾を翔んでいます。

チーフエンジニア(機関長)志望の皆様へ

洗練された高性能パワーユニットや軽量な船体は適切なメンテナンスが欠かせません。ぜひ国内でも数少ない民営航路でフル稼働するロールスロイスのmtuを操り、ご機嫌よく回す機関長に挑戦してみませんか?

旅客船の幅広い仕事に携わる、お客様の喜びを実感できる

全員がライセンス所持者

津エアポートラインのクルー(乗組員)は、キャプテン(船長)・チーフエンジニア(機関長)・チーフオフィサー(一等航海士)の3名で、全員が海技免状5級以上のライセンス所持者です。

通常、船の機関部は機関室にこもり、エンジンや設備と向き合う職場ですが、津エアポートラインは違います。船のメンテナンスや監視だけでなく、お客様のお出迎え、手荷物の受け取りとラッシング、ブリッジでのワッチと操舵、離着岸のもやい、船内巡視、お客様の忘れ物チェックに船内整備と旅客船の幅広い仕事に携わります。

船の動揺を抑える波に合わせた操舵、燃費を節減するための定時運航など、多様な技能も求められます。風が吹いても流れがあっても桟橋にピッタリ付けるキャプテンの操船技術も間近に見ることができます。

チームワークが大事

津エアポートラインには何かと煩わしい船内宿泊や船内調理はありませんが、チームワークは重要です。伊勢湾航路は巨大船のコンテナ・車運・鉱石・タンカーが行き交い、漁船も昼夜問わず操業する海域なのでワッチは重要です。クルー3人の目と耳をフルに生かし、コミュニケーションをとり、時に支え合い1チームで安全運航を守ります。また出航前には陸上職員との息の合ったやり取りで、お客様を安全に乗船させつつ定時運航を守ります。

よりよく働き、よりよく生きる

このため、津エアポートラインでは航海・機関の両方のライセンスを持つ方を歓迎しています。海技大学校などで学んだ船の知識をフルに生かせる。海外からのお客様もお迎えする玄関口としての誇り。接客を磨き旅立つお客様のワクワク感を支える。公設民営航路として三重県や空港の発展に貢献する。勤務地の三重県は生活費も安く海や山の自然も豊かです。名古屋や大坂に出向き、休日をエンジョイする仲間もいます。よりよく働き、よりよく生きようとする方にとって、津エアポートラインの可能性は無限です。